おまとめローンの宣伝文句をみていると、良いことばかりのように思えます。宣伝文句なので仕方ないと思いますが、デメリットもあるはずだと思います。おまとめローンのメリット、デメリットについて教えてください。

おまとめローンには返済額増加の可能性などデメリットもあります

おまとめローンは、適切に使われれば、メリットの方が多いサービスだといえます。もちろんデメリットもいくつかあります。まず、メリットをまとめますと、1.金利が下がる、2.月々の返済額が減る、3.支払日が月1日になる、です。これらのメリットは、必ずそうなるといったものではありませんが、そうなる可能性は高いです。

金利は、借入額(カードローンでは利用限度額)が小さいほど高くなります。小さな借入額で複数借りているよりも、大きな借入額にまとめて借りている方が金利は低くなるのが普通です。月々の返済額についても、複数借りているよりも、まとめた方が小さくなる傾向にあります。支払日については、当然ですが、まとめれば月1日になりますので、管理が楽になります。

おまとめローンのデメリットは、A.総返済額が増える可能性がある、B.過払い請求の機会を逃す可能性がある、C.保証人や担保を求められる可能性がある、です。D.審査がきびしい、E.おまとめローンを装った詐欺にあう可能性がある、というのもデメリットに入れてもよいかもしれません。

A.総返済額が増える可能性がある、については、メリット2.月々の返済額が減る、というのと裏腹なことだといえます。月々の返済額が減れば、もちろん返済が楽になって良いことなのですが、その分借りている期間は長くなりますので、総返済額としては増える可能性がでてくるわけです。ただ、金利が下がっていれば、借入期間が増えた分の利息額を相殺できますし、逆に総返済額が減るケースもあります。

B.過払い請求の機会を逃す可能性がある、については、これは、高金利で借りている人だけにいえるデメリットです。金利の上限を制限する法律に、利息制限法と出資法の2つがあって、この制限値の差の部分が、いわゆるグレーゾーン金利です。グレーゾーン金利で借りていた人は、過払い金の返還を請求すれば、その分の返還を受けることができます。

過払い金の請求をすると、信用情報にそのことが記載され、後のキャッシング審査に不利になりますので、小額の過払い金であれば請求しない方が得なのですが、高額の場合はやる価値があります。特に、利息制限法と出資法の制限の差が大きかった時代から借りている人は、高額になることが多いです。現在ではグレーゾーンの幅は非常に小さいので、あっても小額になるはずです。
(⇒融資審査を受けるなら注意したい事

おまとめローンでまとめるときは、過払い分も含めてまとめられてしまいますので、まとめた後での過払い金請求は、不可能とまではいえませんが、非常に面倒になってしまいます。完済後の過払い金返還請求は、弁護士や司法書士でなければ、なかなかできるものではありません。依頼費用もかかってしまいます。

C.保証人や担保を求められる可能性がある、については、審査の結果によって、という話です。審査の結果、返済能力が不足していると判断されれば、保証人や担保を求められることがあります。不動産など担保物件がある人はまだよいかもしれませんが、なければ保証人をさがさなければなりません。そういった状況で保証人をさがすのは大変なことですし、精神的に大きな負担になります。

ただ、この場合は、保証人がいなければ、契約しなければよいだけの話なので、デメリットといってしまうとちょっと違うかもしれません。
(⇒デメリットを把握しておまとめローンを使おう

おまとめローンは良いのかという疑問の解説

カードローンを多数の会社から利用して多重債務になった場合の対応としておまとめローンがあります。これは複数の会社の借り入れを1つにまとめられますが、それだけ聞いてもどこが良いのかよく分かりません。そのため、おまとめローンは良いのかという疑問がありますが、利用方法を間違えなければメリットの大きいローンです。(参考ページはこちら→おまとめローンの代表的なメリット

多重債務になっていると各社で返済のタイミングが異なるため、管理が面倒になり、返済の遅延を起こすリスクが高くなります。これを1社にできるため管理が楽になります。そのため、月々の返済額に困っていない場合でも返済遅延を回避するために有効な方法になります。

また、カードローンで適用される金利は利用限度額によって決められ、限度額が高くなると金利は下がります。複数の会社を利用している状態では各社の限度額は低くなっているため、適用金利は最大になっていることが多いです。これを1社にまとめることで利用限度額が高くなるため、それだけで金利を引き下げる効果を得られます。

おまとめローンを利用する際に総量規制が気になりますが、消費者金融のおまとめローンを利用する場合でも総量規制の心配はいりません。これは利用者に一方的に有利になる借り換えであるため総量規制の例外になり、年収の3分の1を超える借り入れもできます。しかし、利用するのであれば金利の低い銀行のおまとめローンを利用した方が返済が楽になります。(参考ページはこちら→総量規制が無くなるケース

金利が低くなるとはいっても、毎月の返済額の設定には注意が必要です。返済額が低すぎると返済が長期化し、返済総額が高くなることもあります。これを避けるには返済シミュレーションで確認し、返済総額が高くならないような返済計画を立てます。余裕が出たときに繰り上げ返済を行うのも有効です。

おまとめローンの審査ではまとめる借り入れの数が多過ぎると落ちることがあります。5社以上になると難しくなってくるため、あまり多くの会社を利用している場合には事前に少しずつ借り入れをまとめ、ある程度数を減らしておきます。