わたしは、４つのカードローンを限度額まで借りていますので、多重債務者だと思います。５つ目のカードローンを申込んだのですが、審査に通りませんでした。おまとめローンは、多重債務者を救済することが目的のローンなので、キャッシング額の上限も無く、審査に通りやすいローンだと聞きました。審査に落ちた消費者金融には、おまとめローンもあります。おまとめローンに申込めば、審査に通るでしょうか？

カードローンで落ちる人でもおまとめローンは通る場合があります

カードローンで落ちて、おまとめローンで通るのは、たとえば、次のようなケースです。年収６００万円の人が、４つの消費者金融から２１０万円のキャッシングをしていて、さらに１０万円のキャッシングをしようと別の消費者金融に申込むケースです。このケースで、消費者金融のカードローンに申込んだ場合、審査には通りません。もし、消費者金融が１０万円貸したいと思ったとしても貸すことはできないことになっています。

金融機関にはいろいろな法律が適用されますが、業態によって適用される法律は異なります。利息の上限について、出資法と利息制限法が適用されるというのは、どの金融機関でも同じですが、他のもっと基本的なところの法律が違ってきます。カードローンを扱う金融機関の業態は、大きく分けて、銀行、消費者金融、信販系金融の３つですが、適用される法律で分ければ、銀行とノンバンクということになります。消費者金融と信販系金融はノンバンクです。

銀行には、銀行法が適用されますが、ノンバンクには貸金業法が適用されます。ここからが重要なところですが、貸金業法の中に総量規制という規制があります。総量規制というのは、ノンバンクのキャッシングの総量にかかる規制です。ノンバンクに対して、年収の３分の１を超える貸付を制限しています。

年収６００万円でノンバンク借入が２１０万円の人がノンバンクのカードローンに申し込んできたとき、この人は既に年収の３分の１を超えて借入れているので、それ以上の貸付は法律違反になります。従って、審査には落とさざるを得ません。

一方、おまとめローンについては、総量規制の例外として認められることがあります。たとえば、多重債務者が既に年収の３分の１を超える借金を抱えていて、それをノンバンクのおまとめローンで借り替えてまとめる場合は総量規制の例外です。年収６００万円でノンバンク借入が２１０万円の人がノンバンクのおまとめローンに申込んできたときは、審査に通すことができます。

これが、おまとめローンは普通のカードローンよりも審査に通り易いといわれる所以のところです。実際の審査基準については、違いがあるわけではありません。金融機関は、返済能力があると認めた人にだけ貸出を行うわけで、その返済能力を測る基準が審査基準ですから、おまとめローンだからといってその審査基準が変わることはないはずです。

たしかに、おまとめローンの目的に、多重債務者の救済というのはありますが、だからといって、審査基準を緩めることまではしてくれません。また、審査基準を緩めてしまえば、多重債務を悪化させることにもなりますから、良いことでもありません。ですから、おまとめローンでも、まとめた後の返済計画が立たないような人の場合は、審査に落ちることになります。

カードローンに落ちておまとめローンが通るといったケースはありますが、すでにカードローン審査で落ちている場合には、同じ金融機関のおまとめローンに申込むのはお勧めできません。直近に審査落ちの記録があると、審査自体行われない場合もあり不利になります。